写真
ウチョウラン。
SUGOI-ne2号ゴールド 軽石ミックスに
芽生えた。
自生地では次の世代が芽生える。
SUGOI-ne2号栽培の黒百合
株元に自然発芽した黒百合。
自生地では、次の世代が芽生える。
ラン科植物も同じ。
ラン菌が生息すれば芽生えることが出来る。
しかし、これまでの用土では・・・
ランは芽生え再生は出来ない。
こういう自然の法則から外れたラン栽培が、
200年行われて来た。
ラン科植物26000種。
全てのランは、枯れ葉、植物死骸の存在するところに自生する。
胚乳の持たないランの種子は、この場所で芽生える。
プロトコームは生きつづける。
陸上のほとんどの植物も・・・・同じである。
鉢には自然界の炭素循環がない。
植物を鉢に植えることが当たり前に思っている。
植物が鉢に植えられると・・・喜んでいると・・・思っている人もいる。
とんでもない考えである。
地球上の植物で、鉢に植えられて喜んでいる植物など一つも無いのである。
植物からみれば・・・とんでもない異常な空間である。
悲しみの・・・限られた空間の牢獄の、檻の中の生活に等しいのかもしれない。
そういうことであるが・・・・
ラン栽培では、鉢に植えることが当然・・・・既定概念になっている。
なぜ既定概念が生まれたか????
自生地から株を掘ってきて・・・・自生地を再現することが困難だったからである。
地生ランも着生ランも・・・・。
鉢に植えれば、どうにか・・・・栽培できた。
どうにか栽培できたということに過ぎない。
例を示せば・・・・
近年では1960年代、アメリカでも、オーストラリアでも・・・・
温室内にCymbidiumを地植えして、大栽培を試みたラン園があった。
全て失敗した!
ラン菌の生息しない用土。
自然界のラン菌による炭素循環がなかったからである。
一部の植物園、趣味家の温室では・・・・
カトレア系などの着生ランを・・・・枯れ木、コルクなどに着ける栽培も行われている。
一見すると、自生地を真似た、再現したようにも見える。
しかし、偽似栽培である。
なぜなら、この栽培にも、自生地における枯れ葉の循環がないからである。
ラン菌による枯れ葉の分解がないからである。
株を維持するに必ず肥料を与える必要があるからである。
ランは菌根植物である。
このことを削除しての栽培は・・・・必ず作落ち、株の衰弱が起こる。
これと同じことが鉢栽培の鉢には必ず起こる。
ラン栽培では・・・水ゴケ、バーク、軽石・・・などの用土を使用する。
この用土には、自生地におけるラン菌、枯れ落ち葉がないから、
炭素循環がない。
他の植物でも、使用する用土、鉢には枯れ落ち葉がないから、
必ず用土の劣化と疲弊が起こる。
必ず2,3年経てばこの劣化と疲弊・・・更に根詰まり・・・・根の老化が起こる。
そういうことで、ラン栽培でも、他の植物でも、
鉢栽培を行う限り・・・・植え替えが絶対の条件になる。
盆栽では・・・この技術が・・・・絶対に必要になる!
ランでも避けて通ることの出来ないものである。
そこでなるべく劣化、疲弊しない用土を探してきた!
そこで探し出されたのが・・・水ゴケ、バーク、軽石、杉皮、ヘゴ・・・・
全て・・・微生物によって分解されない素材である。
ここに大きな盲点が存在する。
微生物が、ラン菌が分解できない素材というのは・・・どういうことなのか?
自然界の循環が遮断されているということである。
エネルギー源の炭素、炭水化物が無い・・・・鉢ということになる。
菌根植物のランが・・・・どこからエネルギーを調達できる????
光合成で作るエネルギーのみで・・・本当に賄えるのか????
これは、換えていえば、
近頃の太陽光発電と同じである。
一般家庭の家の屋根に設置する太陽光発電パネル。
そこで作る電気で・・・必要な電力を完全に賄えるか・・・というのと似ている。
足りない電力は・・・電力会社より買う必要がある。
つまり、このラン菌による炭素循環栽培法は、
光合成で作るエネルギーのみでは、足りない場面がある。
そういう推理、仮定にたって構築された栽培法である。
特に菌根植物のラン科植物では、これが顕著なのではないか???
こういう推理をすれば、菌根植物の進化の謎が明解に説明がつくのである。
なぜランが枯れ葉を分解する好気性菌である材木腐朽菌と共生したか。
なぜ嫌気性菌の酵母、乳酸菌、細菌と共生しなかったのか。
枯れ落ち葉、植物の死骸は、空気の、酸素の多い地表に堆積するからである。
土中深くではなく・・・・地表である。 樹皮の上である。
このエリアに枯れ葉、植物死骸が分解した養分が存在し、ラン菌も生息する。
だからこそ・・・ランの根は地表近くに横に張る。
着生ランでは樹皮上に張る。
つまり、ラン科植物は「独立自養植物」なのかという疑問である。
光合成で充分な養分を自前で賄えるのかということである。
腐生ランは・・・なぜランに存在するのか・・・こういう疑問である。
園芸、農業、ラン界でも、腐生ラン栽培を削除してきた。
洋蘭界では、腐生ランは完全に削除してきた。
ここに大きな盲点があったのである。
なぜ、葉の無いランが・・・生きられるのか・・・・。
鉢には、自然界の枯れ葉の炭素循環がない。
ラン栽培も同じである。
地球上に人類が生まれた以前から、植物も動物も生き続けて来た。
生き物は新陳代謝をしながら生命を維持し生きるが・・・・必ず死ぬ。
自生地には何万年も、何百万年繰り返されてきた、新陳代謝と、生命の継承がある。
この行為には必ず枯れ葉と死骸が発生する。
この枯れ葉と死骸を分解し、掃除?するものが無かったら・・・・
地球の陸上は・・・枯れ葉と死骸に埋ってしまう。
動物の排泄物を処理するものがいなかったら・・・排泄物で埋ってしまう。
分解・・・・・
再利用・・・。
天敵。
植物、動物の最も恐るべき天敵は人間である。
クロマグロまでワシントン条約の会議で・・・・全面捕獲禁止まで議題に上がる。
自然界の陸上でも、海でも・・・生存競争がありながらも・・・
多くの種が生命を維持しながら、再生の循環を継続させてきた。
そこに人間が侵入すると・・・この維持を遮断し、再生不可能な土地、海になる。
近頃の絶滅危惧種の問題はこういうことであるが・・・・。
ここでのテーマは、この人間の営みのことではない。
なぜ、植物の自生地では、種を維持、継続、再生できるのかということである。
生命を維持、再生するためのエネルギー源、養分を何所から、
どうやって得ているのかということである。
自生地では、誰も肥料などやらない!
このことである。
考えてみれば不思議なことである。
しかし、自然からみれば当たり前のここと。
人間が植物に肥料を与えることこそ異常なことなのである。
肥料を与える行為には・・・向上心と欲望が含んでいるからである。
筆者宇井清太は毎年蘭展を行って、栽培講習会を行っているが・・・・
ほとんど100%の人が、植物は肥料を与えないと育たないと考えている。
そういうことで、肥料メーカーは儲かるような仕組みになっている。
作物は農業ビジネスで作る植物だから・・・肥料を与えて多収量を狙う。
その結果、アメリカでも、オーストラリアでもブラジルでも、
土壌を持続できない問題が浮上している。
循環が断ち切られた栽培大系である。
ラン栽培ではどうか???・
日本では、近頃、ランの切花栽培が極めて少なくなった!
ランの切花栽培は株を維持、持続できないからである。
そこで・・・どうやって経営を持続させるのか???・
このことは、日本のみでなく世界中の大蘭園の直面した大問題であった。
そして、これを克服できないまま、経営は破綻した。
この破綻をどうやって逃れるか・・・・
「鉢物栽培」である。
メリクロン苗を導入して、3,4年育成して・・・・満開になったとき全部売り払う!
市場出荷と呼ぶか・・・なんのことはない・・・・市場に捨てるのである。
温室を空にすることが大成功のラン栽培である。
経営は持続できても・・・ラン株は使い捨てである。
ランは自生地では何10年も何100年も生きつづける植物である。
贈答に使われるコチョウランの鉢は、メリクロン、実生でも・・・・
その生命は数年である。
枯れる・・・消費を前提にした生産、消費のサイクルが・・・ラン経営であり、ビジネスである。
なぜ、同じ株を毎年花咲かせて切花して経営する切花栽培が成立しないのか???
日本の洋蘭栽培な昭和40年代までは・・・ほとんど切花栽培を目標にした。
世界のラン界も同じである。
なぜ、壮大な大蘭園経営の夢が挫折したのか????
最も大きな理由は「用土」である。
栽培に使用されている用土が・・・・全て自然の自生地における維持、持続、再生が、
不可能な用土で栽培されたからである。
ラン菌の生息しない用土では、株を持続できないからであった!
ランは難しい・・・。
蘭園経営は難しい・・・・。
このことは趣味のラン栽培でも同じ。
プロが難しいならアマにとっても難しいのである。
山では、自生地では・・・・自然に生きている植物を、
人間が栽培しようとすると困難なのである。
これは、何が原因なのか????
ほとんど用土の問題である。
ランは菌根植物。
菌根植物の場合は・・・・菌の問題である!
鉢に自然界の循環がないからである。
植物の自生地。
自生地というのは種子が芽生え生育し、花を咲かせ、種子が稔る場所である。
このサイクルが完全でなければ絶種する。
しかし、ラン栽培では、このサイクルが絶たれている。
種子が発芽できない用土で栽培してきた。
ラン菌が生息していない用土である。
この再生不可能な欠陥用土でのラン栽培は、
自然界の絶対の原理原則を無視したものであるから、必ず破綻する。
この法則の掟の中で、世界中の大蘭園は破綻し沈んだ。
メリクロン、無菌播種による苗生産で、かろうじて蘭園を継続している。
しかし・・・・ラン菌の生息しない用土での栽培は、
早かれ遅かれの差があるが・・・・必ず株が衰弱するときが来る。
ラン栽培の難しさを痛感するのは、この場面である。
継続は力なり!
エネルギーが欠乏すると継続できない。
植物の自生地には、必ず落ち葉が生産される。
植物の死骸が生産される。
それは、セルロース、リグニン・・・炭素化合物である。
これがエネルギー源となって次の年も生きることになる。
これまでのラン栽培の用土には、この炭素循環がなかった。
枯れ葉を分解する好気性菌が棲んでいない用土だからである。
植物の自生地は維持、再生の循環
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